Piano Perspectives

2004

Concert 2004

ロシアンピアニズムの潮流

Tide of Russian Pianism

2004年11月13日（土）13:00開演　旧東京音楽学校奏楽堂

ごあいさつ | プログラム | フライヤー

アマチュアでピアノを弾く有志が、1998年より隔年で開催して参りましたこの演奏会も、今回で４回目を迎えることになりました。「カタロニアの情熱と安らぎ」「パリの20世紀」「自在なリズム」に引き続き、今回はロシア・ピアノ音楽の創生期から黄金期、そして現代までの系譜を俯瞰しようとする試みです。

ロシア・ピアノ音楽と聞いて、重厚・壮大にして熱きロマン、そして素朴で親しみやすい民族的な旋律に魅力を感じる方は多いことでしょう。それは北の大地がもつ、厳しくもまた懐の大きい自然や風土への憧れに通じるのかもしれませんし、この音楽の魅力を、しばしば圧倒的な演奏とともに我々に伝えてくれる、同地出身のピアニストたちに対する敬慕の念とも、しばしば結びついているように思われます。また一方で、多面的な複雑さをもつ現代作品に、激動に満ちたソヴィエト＝ロシア史の投影を見ることもできるでしょう。またこの「知られざる大国」のなかで、未知なる過去の音楽遺産や、今を生きる「天才」を発掘することに興味を覚える方もいるでしょう。

今回の演奏会では、個々の演奏者が、それぞれの「ロシア」への関心に応じて自由に選曲したものを持ち寄って、プログラムを構成いたしました。大曲が演奏される一方で、優美で繊細な魅力をもつ小品にもスポットが当たる内容となりました。どうぞご自由に演奏をお楽しみいただければ幸いです。

廣瀬就久