Piano Perspectives

2008

Concert 2008

≪イベリア≫とその周辺～アルベニス没後100年記念～

"Iberia" and Its Peripherals - The 100th Anniversary of Albeniz's Death

2008年11月29日（土）14:00開演　旧東京音楽学校奏楽堂

ごあいさつ | プログラム | フライヤー

1998年から２年に一度、アマチュアが集ってピアノを弾くPiano Perspectives / P2の活動も、今年で10周年となりました。過去「カタロニアの情熱と安らぎ」「パリの20世紀」「自在なリズム」「ロシアンピアニズムの潮流」「光と闇」というテーマの演奏会を開催してきましたが、今回はP2発足当時から声の上がっていたアルベニスの組曲「イベリア」全曲演奏会を10年目にしてようやく実施する運びとなりました。

「イベリア」は全12曲。どれも難曲かつ大曲で、10年前は企画として上がったものの手の届かない雲のような存在でした。1900年頃のスペインの風景をピアノで写し撮ったと言われるこの作品は、スペインの風土同様、多彩で内容の濃い傑作揃いです。当時アルベニスが住んでいたフランスの洗練された音色感覚をも有しており、ドビュッシーが常に譜面台に楽譜を置き、メシアンが絶賛し、ラヴェルが管弦楽編曲を申し出たという当初から傑作の誉れ高い作品です。現在に至っては取り上げる演奏者も増え、我々もこの企画のことを忘れることはありませんでした。そして10年目、アルベニス没後100周年を半年後に控え、企画を実行に移すこととなりました。

今回は「イベリア」に加え、「ラ・ベーガ」「ナバーラ」などのアルベニス晩年の傑作を網羅し、更にグラナドス、セヴラックなど、アルベニスとゆかりのある作曲家も登場します。スペインとフランスの文化が昇華して生まれた輝かしい音楽の泉をお楽しみいただければ幸いです。

不破友芝